診療内容
声の障害
「声のかすれ」「声の出しにくさ」について
声帯に何らかの異常が起こると、声がかすれたり、声を出しにくくなったりします。普段と異なる声のかすれは、医学用語で嗄声(させい)と呼ばれます。
以下のような症状がある方は、耳鼻咽喉科へご相談ください。
●声がかすれる
●ガラガラ声になった
●ザラザラした声になった
●ハスキーボイスになった
●声が弱々しくなった
●息がもれるような声
●声を出しにくい
など

嗄声(させい)の原因
声帯に炎症などの異常が起きたり、声帯の開閉運動に障害が出たりすると声帯の振動に影響が出るため、声がかすれたり、声を出しにくくなったりします。
●急性声帯炎(風邪などによる炎症)
●声帯ポリープ・ポリープ様声帯
●声帯結節
●喉頭癌
●声帯麻痺(反回神経麻痺)
●甲状腺機能低下症
●大声を出した
●多量の飲酒
など
急性声帯炎
風邪をひいた時や、声を使いすぎた時にみられる声帯の急性炎症です。
声を使わないようにしていれば自然に治ります。
1ヵ月程度経過しても声が改善しない場合は、他の疾患の可能性があるので耳鼻咽喉科を受診しましょう。
声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯
嗄声(させい)を起こす代表的な病気です。
声の出し過ぎや、使い過ぎ、喫煙などが原因で声帯の粘膜が変性して、ポリープ状、結節状に突出したものです。
治療法としては、まず声の安静が大切です。あまり大きな声で話したり、長くしゃべるのはやめましょう。同時に、ネブライザー治療と炎症止めのお薬を内服します。これらの治療を数カ月行っても効果がない場合は、手術を検討します。

反回神経麻痺(声帯麻痺)
喉の周辺をコントロールしている反回神経は、声帯の開け閉めもコントロールしています。
そのため、反回神経に何らかのダメ-ジを受けると声帯がうまく開閉しなくなってしまい、声のかすれが起こります。また、食べ物が気管に入る誤嚥なども起こりやすくなります。
反回神経は、脳から出て頸部を通り胸部まで下行した後、反対に上行し喉頭の筋肉に達します。複雑で長い経路をたどる神経なので、その途中で何らかの障害を受けて麻痺することがあります。例えば、甲状腺癌、食道癌、肺癌、大動脈瘤などにより反回神経麻痺が生じます。このように反回神経麻痺が疑われる場合は、重大な病気が関わっている可能性があるため、CTやMRIなど のより詳しい検査が必要です。
喉頭がん
喉頭がんは飲酒や喫煙との関連性が高く、特にヘビースモーカーは要注意のがんです。
耳鼻咽喉科では最も発生率の多いがんであり、嗄声(させい)が続いている場合、ファイバースコープを使って実際に発声している声帯を観察し、喉頭がんでないかを確認します。
1ヶ月以上、嗄声(させい)が治らなかったり、徐々に悪くなってきている時は、検診の意味もかね、耳鼻咽喉科にて診察を受けることをお勧めします。
