診療内容
耳垢・耳垢塞栓
耳鼻咽喉科での耳掃除
少量の耳垢(みみあか・じこう)があることは生理的に正常な状態です。健康な方は、耳垢はもともと自然に耳の外に排出する性質をもっているので、乾性耳垢(乾燥した耳垢のタイプ)の方なら耳掃除はほとんど必要ありません。むやみに耳掃除を行うことで、外耳道に傷をつけたり、耳垢を奥に押し込んでしまう可能性があります。
●湿性耳垢(粘性の耳垢のタイプ)の方
●小児
●高齢者の方
●外耳道が狭い方
などは耳垢が溜まりやすいため、耳垢のそうじが困難な場合は、遠慮せずに耳鼻咽喉科にご相談ください。
耳垢栓塞(じこうせんそく)
耳垢栓塞は、耳垢が大量に溜まって固まりになってし まい、耳の穴を狭くしたり塞いだりする病気です。
普段よりわずかに聞こえづらい・耳の中に何かが詰まっているような感じがする、などの違和感を訴えられる方もいらっしゃいますが、軽度であれば無症状であることがほとんどです。
特に高齢の方は「歳のせいで耳が遠くなった」と思いこまずに、耳鼻咽喉科で耳垢が溜まりすぎていないかをチェックすることも大切です。
治療
耳垢を吸引したりピンセットや耳垢用の鉗子(かんし)などで少しずつ取り除きます。固まってしまっているものに対しては、耳垢水という耳垢を溶かす液体を数日点耳し、耳垢をやわらかくしてから取り除きます。基本的には、耳垢を除去することで症状が改善します。
ご家庭で耳掃除を行う場合の注意点
耳かきや綿棒の入れすぎにご注意!
耳垢は、外耳口から約1~1.5cmより手前(およそ綿棒の頭一つ分程度)まででしかできません。
それより奥を掃除しても意味が無いばかりか、かえって耳垢を押し込んでしまう可能性がありますのでご注意ください。
耳掃除のしすぎは良くありません
耳掃除は基本的に行う必要がありません。
耳掃除をしすぎると、皮膚が傷つき雑菌が入ることもあります。
本来耳垢は自然に排泄されますので、通常は耳掃除をしなくてもよいのですが、外耳道の形や大きさ、外耳道の皮膚の状態によって排泄されにくい方もいらっしゃいます。その場合は定期的な受診をおすすめします。
周りに気を付けましょう
耳掃除をする時は、周りに人がいないか確認してから行いましょう。
特に小さなお子さんがいる場合などは、走り回ってぶつかるなどの危険性があります。
誤って外耳道や鼓膜を傷つけないようにご注意ください。